2013年07月05日

アフガン諜報戦争

Glockカスタムの合間に、ある本を読んでいました。良書だったのでご紹介。
アフガン諜報戦争 上・下巻 白水社出版
アフガン諜報戦争
2004年に出版されピュリッツァー賞受賞。その後情報公開された事実を元に加筆されて再出版されています。

上巻はソビエトのアフガニスタン侵攻後、CIAがパキスタンISI、サウジアラビアと共に如何に反ソビエト武装勢力を支援していったか、その中で軍閥化してしていく各派の中でのタリバンの勢力拡大。ソビエト撤退後の各国のアフガンに対する姿勢が描かれます。
下巻は、ビンラディンの台頭とCIAの追跡。クリントン政権と官僚主義の中でのCIAの苦闘。パキスタンとタリバンへのアメリカ政策の混迷が描かれ、2001年9月9日、9.11の2日前にマスードが暗殺される所で終わります。

後書きで作者も述べているようにラディカルな視点で断罪するわけでもなく、長く複雑な歴史を、丁寧に客観的に描いています。中には一般的に言われている事が違った目線で見れる様な事実も数多くありました。

ただ、デルタの名称などは出てきますが、5.56mmでテロリストの頭を吹っ飛ばして・・・・なんてシーンはありません。ミリタリーノンフィクションではなく、あくまで歴史書の類の本です。
対テロ戦争に興味をお持ちならば、DEVGRUがHK416でラディンの頭を撃った事は知ってても、何故、ラディンがあそこに潜んでて、それまでに至る経緯について全く説明できないってのもちょっと嫌でしょ?イラク戦争に至るまでの前史を俯瞰する意味でも読んでおいて損はない良書だと思います。




タグ :書評


Posted by ラック  at 02:04 │Comments(0)

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